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ネットチラシ

「縦型短尺動画」が切り拓く新たな顧客接点

—企業がいま注目すべき理由とは?—



はじめに、

スマートフォンの普及とともに、
インターネットの利用スタイルが劇的に変化してきたここ数年。

中でも、縦型短尺動画(Short Vertical Video)は、今やZ世代だけのコンテンツではなく、中年層を含めた
幅広い年代に広がる新しい情報接触の形として台頭しています。


縦型短尺動画とは?
〜時代が求めた「手軽さ」と「没入感」〜

TikTok、Instagram Reels、YouTube Shorts―
―いずれも縦型短尺動画の代表例です。

スマートフォンで自然に視聴できる“縦画面”と、15秒〜60秒程度の“短尺”という特性が、現代の情報消費スタイルにマッチしました。

忙しい日常の中でスキマ時間に“サッと見られる”、かつ“次々と流れてくる”という気軽さが、老若男女を問わず支持を広げています。

映像、音声、テキストが融合したコンパクトな表現手法は、テレビや長尺動画にはない没入体験を提供します。


中年層にも浸透、広がるユーザー層

総務省や民間の調査によれば、40〜50代のスマートフォン利用時間の中で、SNSや動画視聴の割合が年々増加しています。

※参照:総務省|情報通信政策研究所|情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査
https://www.soumu.go.jp/iicp/research/results/media_usage-time.html


特にYouTube ShortsやInstagram Reelsは、既存ユーザーが自然に触れる機会が多く、若者向けコンテンツに限らず、中年層・ファミリー層向けの実用系・情報系コンテンツが増加。

家事や子育て、ライフハック、健康、趣味(料理・DIY・旅行)といったジャンルで人気の投稿も多く、世代を超えたエンゲージメント獲得が可能になってきました。


企業がマーケティングで活用する際におさえておきたい5つのポイント

1. “伝わる速さ”を意識する:最初の3秒に勝負をかける

ユーザーはスワイプひとつで別の動画に移動します。
まず大切なのは、動画の冒頭で一瞬にして「続きを見たくなる」魅力を出すこと。映像インパクト、キャッチコピー、表情や音声で引き込みましょう。


2. 広告っぽさをなくす:コンテンツの“自然さ”が鍵

明らかな宣伝は敬遠されがちです。
企業発信であっても、「実体験」「ストーリー」「共感」などを軸に、自然な流れで商品やサービスを紹介する手法が効果的。
特に中年層には「信用できるリアルさ」が刺さります。


3. ユーザー参加型の仕掛けを設ける:拡散力を高める工夫

ハッシュタグチャレンジや動画投稿キャンペーンを通じて、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を巻き込む戦略も有効です。
企業と消費者が“共創”することで、より広く、より深くブランドの認知が浸透します。



4. インターネット利用時間と接触チャネルを見極める

近年、SNSや動画アプリの滞在時間はWebサイトや検索を上回ることも珍しくありません。
つまり、「検索してもらう」よりも、「発見される」設計が求められます。短尺動画は“プッシュ型”の情報提供ツールとして活躍します。


5. 縦型動画は“量”と“質”の両立が鍵

アルゴリズム型の配信では、投稿頻度も重視されます。しかし、ただ量産するだけでは逆効果。ブランドトーンを守りつつ、シリーズ化、
パーソナリティ化、エンタメ化といった形で“視聴の習慣化”を目指すべきです。


まとめ 
『縦型短尺動画は、次世代の「テレビCM」かもしれない』

従来のテレビCMが“決まった時間に流れる”メディアであったのに対し、縦型短尺動画は“ユーザーの時間に合わせて流れてくる”パーソナライズドメディア。
その分、内容とタイミングの設計力が問われます。

しかし同時に、限られた予算でも創意工夫次第でリーチを広げ、ブランドイメージを浸透させられる極めて強力なチャネルでもあります。
中年層にも浸透が進む今、縦型短尺動画は「次なる勝機の入り口」として、すべてのマーケターが注目すべきメディアと言えるでしょう。