Cookie規制から3年——今、何が変わった?

2022年に「今さら聞けない Cookie(クッキー)規制の基本について」というコラムを掲載しました。あれから3年。広告・Webの世界では、Cookieに頼れない「ポストCookie時代」が現実のものになりつつあります。
今回は、初心者の方でも分かるように、Cookie規制の最新状況と企業の対応をやさしくお届けします。
1. Cookie規制はまだ進行中
●「サードパーティCookie(他社が発行する広告用のCookie)」は、Google Chromeなどのブラウザで廃止・制限の方向にあります。
●ただし、ブラウザ側の仕様変更や対応スケジュールが変わっており、「完全に使えなくなった」という段階には到達していません。例えば、SafariやFirefoxでは既に制限が強まっています。
👉 ポイント:Cookieが使えない=広告や分析が完全にできなくなる、ではありません。
参照サイト:https://privacysandbox.google.com/cookies?utm_source=chatgpt.com&hl=ja
2. Cookieに代わる注目手法
●ファーストパーティデータ(自社で集めた会員情報や購入履歴など自分で管理するデータ)を活用することで、Cookieに頼らない広告・販促が可能になります。●コンテキスト広告(ページの内容に合わせて広告を出す方法誰か個人を特定せず配信できる)なら、「この人」ではなく「このページを見ている人」に向けて出せるため、トラッキング依存を減らせます。
●Privacy Sandbox(Googleが開発中/調整中の仕組みで、個人を特定せずに広告配信や分析ができる技術)も注目されています。
参照サイト:https://privacysandbox.com/news/privacy-sandbox-update/?utm_source=chatgpt.com
3. 日本企業の現場ではどう動いている?
会員向けアプリ・メール配信を強化して、まずは「自社で管理できるデータ」を増やす動きがあります。実店舗での購買データ・位置情報を活用し、「オンライン×オフライン(OMO)」型の販促を実施する企業も増加中。
👉 ポイント:Cookieなしでも、顧客データの“所有”と“活用”で勝負する時代です。
4. Cookieの規制は“制限”ではなく“チャンス”
Cookieの制限は「広告ができなくなる話」ではなく、「顧客の信頼をいかに構築できるか」の話です。

企業に求められること:
・データ取得の透明性(ユーザーの同意設計)
・顧客がメリットを感じるデータ活用(例:自分にとって有益な情報)
・ブランドとしての情報倫理と信頼性の確立
5. まとめ
3年前に始まったCookie規制の波は、いまや「どんなデータを集め、どう使うか」を問う時代の入り口です。
Cookieがなくても、顧客を理解して、役立つ情報を届けることが、これからの広告・販促で成果を出す鍵になります。
これを機に、今までの「Cookie頼み」の仕組みを見直し、新しい時代に備えましょう。
