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中小企業のトリプルメディア戦略。広告×SNS×サイトで成果を最大化

広告のプロだからこそ知っている「加速の条件」

「広告を出せば、すぐに売上が上がるはずだ」 そう期待して予算を投じても、思うように成果が出ないケースがあります。広告代理店として多くの中小企業様を支援する中で、私たちはその「差」がどこにあるのかを痛感してきました。

広告は、それ単体で完結するものではありません。広告はビジネスを加速させるための「燃料」であり、それを受け止めて推進力に変える「エンジン(自社サイト)」が整って初めて、目に見える成果へと繋がります。

今の時代、ユーザーはたった一つの広告を見て即決することはありません。広告で興味を持ち、SNSで評判を調べ、公式サイトの記事で専門性を確かめ、時には別のメディアで比較記事を読む……。こうした複雑なステップを踏むのが当たり前になっています。

今回は、広告・SNS・自社サイトを一つの仕組みとして動かす「トリプルメディア戦略」と、ユーザーとの接触回数を増やす「マルチタッチポイント」の重要性について解説します。


マーケティング

【1】 広告はガソリン、サイトはエンジン。仕組みを最大化する

広告(ペイドメディア)は、短期間で狙ったターゲットを最速で連れてくる「高純度のガソリン」です。しかし、どれほど強力な燃料を注いでも、受け止める自社サイトという「エンジン」が十分に整備されていなければ、車(ビジネス)を力強く走らせることはできません。

この広告という燃料を爆発的な推進力に変えられるかどうかは、着地点となる自社サイトの「情報の厚み」にかかっているのです。

① 広告とコンテンツを繋ぐ2つのアプローチ

広告代理店として運用を行う際、私たちは目的に応じて2つの手法を使い分けます。

【手法A】広告専用の「LP(ランディングページ)」で最短距離を狙う
「今すぐ欲しい」という明確なニーズがある層に対し、1枚の特化型ページで一気に成約まで導きます。

【手法B】反応の良い「コンテンツ記事」を広告で広める
第1回でお伝えした「お客様の悩みを解決する良質な記事」を広告として届けます。
売り込み色を抑えた「お役立ち情報」として接触するため、潜在層の信頼を勝ち取るのに非常に有効です。

② 広告が効かないサイトの共通点:裏付けとなる情報の欠如

広告でどれほど魅力的な言葉を並べても、着地点であるサイトにその「証拠」がなければ、ユーザーは一瞬で見抜いて離脱します。

例えば、女性向けのパーソナルジムで「手ぶらでOK。高級アメニティ完備の完全個室パウダールーム」と広告で大々的に訴求したいという要望をいただくとします。しかし、いざサイトを確認すると、アメニティのブランド名も、個室がある旨の記載も一切ない、など必要十分な情報がないというケースが少なくありません。

ユーザーからすれば「ドライヤーは何があるの?」「本当に個室なの?」という不安を解消できず、結局申し込みを躊躇してしまいます。
理想は実際の写真と紹介文があることですが、せめて「よくある質問(FAQ)」の中に一言、「ダイソンのドライヤーや、〇〇社製の基礎化粧品を揃えた完全個室のパウダールームをご用意しています」という文字情報だけでも入れておく。この最低限の「裏付け」があるだけで、広告の成約率は劇的に変わるのです。広告は「期待」を作りますが、サイトのコンテンツはその期待を「安心」に変える役割を担っています。

【2】 SNS集客の「見えないリスク」と代替不能な公式サイトの価値

次に、近年多くの企業が注力している「SNS(アーンドメディア)」についてです。

広告代理店として多くの中小企業様の支援を行う中で、近年もっとも多くいただく相談があります。それが「Instagram(インスタ)やTikTokなどのSNSだけで集客を完結させたい」というものです。
スマホ一台で発信でき、拡散力もあるSNSは、一見すると魔法の杖のように見えます。しかし、広告のプロとして、そして長年コンテンツ制作に携わってきた者として、あえて警鐘を鳴らしたい事実があります。

それは、「SNSは集客の『きっかけ』にはなるが、信頼の『着地点』にはならない」ということです。

広告やSNSで火をつけた「興味の熱」を、一時的なブームで終わらせるのか、それとも確実な成約(売上)に繋げるのか。その分かれ道は、自社サイトという「受け皿」の有無にかかっています。

SNSに共感する

①SNSは「看板」、サイトは「店内の棚」。

SNSは「認知・拡散」には非常に優れていますが、情報の性質は「フロー型(流れる情報)」です。投稿は瞬く間にタイムラインの奥底へ沈み、数日後には誰の目にも触れなくなります。
SNSに過度な期待を寄せ、サイトに十分な情報(詳細な解説や写真)を載せないまま集客しようとするのは、「看板は立派なのに、中に入ると棚がスカスカな店」にお客様を呼ぶようなものです。

SNSと自社サイトのコンテンツは、それぞれ以下のような「補完関係」にあります。

▼SNS(認知・拡散)
偶然の出会いを作り、興味を持ってもらうための場所。フロー型(流れていく情報)のため、一瞬の目を引く力は強いですが、詳細な比較検討には向きません。
▼自社サイト(深掘り・コンバージョン)
「もっと知りたい」と思った人を確実に成約へ導く場所。ストック型(積み上がる情報)のため、豊富な写真やテキストで、お客様の不安を一つずつ解消できます。

② プラットフォーム依存のリスク

SNSはあくまで「借り物の場所」です。規約変更やアルゴリズムの変化で、昨日まで届いていた情報が突然届かなくなるリスクを常にはらんでいます。対して、自社サイト(オウンドメディア)は「ストック型(積み上がる情報)」であり、あなたがたの所有物です。SNSという「広場」で集めた人を、自社サイトという「家」へ招き入れる仕組みを作らなければ、安定した集客は望めません。

【3】 タッチポイントを増やし「比較検討」の網を張る

現代のユーザーは「点」で動かない。比較検討のリアル

10年前であれば、広告を見てそのまま購入するユーザーも多くいました。しかし、情報が溢れかえっている現代、ユーザーの行動は驚くほど慎重かつ複雑です。
例えば、あなたがInstagramの広告で魅力的なジュエリーを見つけた時の動きを想像してみてください。

1.SNSで発見
「素敵だな」と目に留まる(認知)。
2.プロフィール・投稿をチェック
 他の作品や、どんな雰囲気のブランドかを確認する(共感)。
3.検索エンジン(Google/Yahoo!)で検索
ブランド名や商品名で検索し、公式サイトや口コミを探す(信頼確認)。
4.公式サイトのコラムを読み込む
アフターサービス、素材のこだわり、自分と同じ悩みを持つ人の事例をじっくり読む(納得)。
5.購入・問い合わせ
ここで初めて行動を起こす(コンバージョン)。

このように、ユーザーは複数のメディアを回遊しながら、少しずつ「この会社は信じられるか?」というパズルのピースを埋めていきます。広告やSNSという「点」だけでは、最終的なピース(納得)が埋まらず、結局は比較検討している他社へ流れてしまうのです。

検索

情報に触れる回数は、購入まで平均7~10回以上!

現代のマーケティングにおいて、最も重要な概念の一つが「マルチタッチポイント(接点の多角化)」です。ユーザーは、購入を決めるまでに平均して7〜10回以上、そのブランドの情報に触れると言われています。

1回目: 広告でバナーを見る(認知)
2回目: Instagramで流れてきた投稿を見る(興味・共感)
3回目: 検索して、公式サイトの「こだわり解説記事」を読む(信頼・納得)
4回目: リターゲティング広告を見てサイトを再訪する(決断)

このように、複数のメディアを横断して接点(タッチポイント)を増やすことで、ユーザーの記憶に定着し、比較検討の対象から「唯一無二の存在」へと昇格します。

【4】 《実体験》現場の言葉が、あらゆる接点の質を変えた

私自身、前職の自社サイトを運用し7年間で300記事以上を執筆してきた中で、ある確信を得ました。自社サイトのコンテンツが充実していると、すべてのタッチポイントの「質」が変わるのです。

例えば、スタッフがお客様の案内のために作成した「詳細な比較解説」は、その記事単体でSEO1位を取りましたが、同時に「広告の着地点」としても、「SNSでの引用元」としても、さらには「チャットやメールでのご案内用の補足資料」としても、あらゆる場面で成約率を底上げしてくれました。

広告やSNSで「火」をつけ、サイトのコンテンツでその熱を「確信」に変える。そしてあらゆる接点でその情報を使い回す。これこそが、中小企業が取るべき三位一体の勝ち筋です。

【まとめ】まずは「家」を整えよう

SNSや広告は、お客様を呼ぶための強力な「外からの風」です。しかし、どれほど強い風を吹かせても、受け止める自社サイトという土台が揺らいでいては、売上という果実は実りません。

まずは、あなたの中に眠っている「お客様を助けるための一次情報」をサイトに書き溜めてください。その「中身の伴ったサイト」があるからこそ、広告もSNSも、本来のパワーを発揮できるのです。

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本記事は連載シリーズです。
第1回から順にお読みいただくことで、中小企業が大手と戦うための「自社サイト活用術」の全体像を掴んでいただけます。

中小企業の生存戦略。コンテンツマーケティング連載

・第1回:予算ゼロからの生存戦略。中小企業こそコンテンツマーケティングを。
(なぜ今、自社サイトでの情報発信が「最強の資産」になるのか?)

・第2回:中小企業のトリプルメディア戦略。広告×SNS×サイトで成果を最大化
(本記事:広告やSNSのパワーを120%引き出すための「受け皿」の作り方)

・第3回:外注丸投げでは勝てない理由。文章に宿る「温度感」の正体
※次回更新予定 (実体験から語る、外注の失敗と「内製化」がもたらす圧倒的な信頼感について)