月刊 食品産業2015年3月号<特別版> スーパーマーケットの「電子チラシ促進」最前線
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最前線スーパーマーケットの伝統的な集客ツールである新聞折り込みなどのチラシ。このチラシを取り巻く環境にここ数年大きな変化が起こっている。言うまでもなくパソコンやスマートフォンの普及による電子化の波である。変わる販促の最前線を追う。30〜40代の新聞購読率が激減、対策を打つSMは少ないが…消費生活コンサルタント 加藤直美図表① 全国SMの新聞折り込みチラシ発行率と今後の方針「平成26年スーパーマーケット年次統計調査報告書」より(業界3団体所属企業を対象に調査n=263)新聞折り込みチラシ発行状況発行企業の今後の方針新聞折り込みチラシを発行している95.0%今後は増加2.4%今後も変わらない63.7%今後は減少26.9%今、何が起こっているのか?チラシ特別企画変わる販促!超るSMは95%に上る。SM業界3団体が毎年発表している「スーパーマーケット年次統計調査報告書」による結果である(図表①)。さらに、今後も新聞折り込みチラシの発行を続けるSMは6割以上。発行を減らすというSMは3割にも満たない。では、新聞折り込みチラシを見ている消費者はどの程度いるのか。新聞購読者は減少しているものの、折り込みチラシを見る人は8割を超えている(図表②)。ただし、3年前より減少した。大元の新聞購読率に性別や年代による大差が生じており、50~60代以上で8割を超える購読率が、20~30代女性では約6割、40代女性に限れば3年前の8割から6割に減少しているのだ。とはいえ、SMのチラシは、新聞折り込みチラシの中で最もよく「内容まで読んで」「それをきっかけに利用」されている。その利用率の高さは約8割にも上り、ホームセンターやドラッ多くのスーパーマーケット(SM)が、店舗の販促手段として用いている新聞折り込みチラシ。新聞を購読する世帯が年々減少している中で、今後の販促手段をどうしていくかが、SMの大きな課題となって久しい。しかし、現在も新聞折り込みチラシを店舗の販促手段として活用していグストアの4割前後と比べても断トツの高さである。SMの折り込みチラシはSMへの来店動機につながっていることが分かる。こうした現状が、販促手法としてのチラシに対するSMの判断を難しくしているとも言えよう。つまり、折り込みチラシに将来性は見込めないが、止めるのも不安である。一方の消費者の側でも、チラシという形式の媒体(メディア)に慣れている。新聞は購読していなくても、店舗のチラシはほしいという消費者は少なくない。しかし、チラシ発行コストが変わらないとしても、見る人が減少している以上、確実に費用対効果は損なわれている。何らかの施策を打たねばならない。実際に、新聞折り込みチラシ以外中小企業こそ 電子チラシへの対応を急げかとう なおみ●消費生活コンサルタント。トレードワーク主宰。マーケット・リサーチに基づくメーカーや小売業のマーケティング・サポートを行う。著書に『コンビニと日本人』(祥伝社)など。PROFILE20153

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